一週間ほど前の話になります。秋の大展示会で御注文いただいた炊飯器を納めるのと、調子が悪いから買い換えるおつもりのオーブンレンジの商談にお伺いしたときのこと。
オーブンレンジはいまお持ちのを使おうとしたら急に火花がでて焦げ臭く、また10年以上経過しているので安全のために買い換えたいが、下見して相談しないとどれが置けるかわからないと、会場でお聞きしていました。
我が街 大津のうち私どもが店を構える旧市街は東海道53次最後の宿場であり、琵琶湖の舟運で栄えた商業都市でした。なのでいまでも町家造りもしくは町家風の家が多く残り、それらは間口が狭く奥行の深い、歴史を重ねた木造であり、隣家と隙間なく建ち並んでいます。
そのおうちも町家風木造で、火花がでたことに神経をとがらせておられ、毎日使うものだから早く新しいのと入れ替えてくれとのことでしたが、手配しようにもまず現場下見が必要なので、急遽貸し出しを用意して行きました。
先に炊飯器を納め取扱い説明を済ました後、オーブンレンジの置き場所をチェックし御客様とご商談。そして品番が決まり、ありがとうございましたと、次のお約束をして帰る前に、御不便をおかけしないようにと〆として貸出器を設置、さぁテスト。温めをまわすとなんとびっくり、火花がでるではないですか!なぜレンジは替えたのに。
火元はオーブンレンジでなく壁コンセントからでした。よくみてみると同じコンセントに冷蔵庫、食器乾燥機もささっています。食器乾燥機はついさきほどまで使っておられたようでひっぱられていたコードは熱をかなりもっていました。
そこで壁コンセントを点検してみることに。
焦げ臭いはずです。 プラスチック部がTORO-RIと見事に溶けていました。YABAI,YABAI。 下手をするとと思うとゾッとします。コンセントはハイ角と呼ばれる少しレトロな古いものでした。今回の原因はコンセントの経年劣化と過電流と考えます。
どんなものでも寿命があります。安全が確保できたうえで使えているのならいいのですが、一般的には漫然と古くても使えているから、次々に差し込んでも使えているからとやり過ごしているのではありませんか?今回のようなことに遭遇するのも初めてでなく、残念なことにいままででも割りに多くありました。
危険一歩手前かもしれません。少しでも電気で心配があれば、日ごろから付き合いのある電気の町医者に診てもらってください。もしいま付き合いがないのなら、できればいざという時に親身になって動いてくれる地域の電気屋をいまからでもつくってください。絶対にお役に立てるはずです。
ちなみに決まっていたオーブンレンジはキャンセルになりました。お客様は少しばつが悪そうでしたが、しきりに感謝していただけました。これでよかったと思います。何よりも安心・安全が第一。この気持ちを風化させることなく、続けていきます。
y.terai