「テレビ放送がとうとう映らなくなった。数か月かけ徐々に乱れがひどくなった末にそうなった。」とのご依頼を受け訪問。
ご新規なので全く見当はついていませんでしたが、手順にそって問題はテレビなのかアンテナなど設備なのかを切り分けることから始めます。それでまずテレビにつながっているテレビターミナルのアンテナ入力レベルを測ってみると潔く見事に0!なので原因はテレビでなく、アンテナからテレビターミナルまでのどこかに不具合が生じているのだろうとなりました。
おうちは有名ハウスメーカー3階建て、築20~30年というところかな?テレビ放送は大屋根に立つ アンテナで受信していて、そこまでは3階バルコニーから作り付けのハシゴで上がれそのうえ屋根自体も平屋根だったのでその点は助かりました。それで大元のアンテナの入力レベルを地上波、BSともに測ってみたところ、どちらも充分な数値がありました。そうなると経験からある程度の察しはつきます。そうここで肝心なのはアンテナポール下部設置の地上波・BSブースターの入力側にDC15Vがきているかになります。ウ~ン残念ながらテスターの針は振れません。ブースターはおうちが建った当時からのもの、ただしそれ以上に輪をかけて怪しいのがアンテナから建物引込口まで平屋根を転がっているケーブル線でした。写真の通り経年劣化により被覆が大きくはがれそこの髭部分がちぎれてしまっています。これでは映らなくて当然・・・
それを見て久しぶりに他所で以前遭遇のゾッとした出来事を思い出してもしまいました。そこはかなり古いアパートで、そのスレート葺き大屋根にあがってみたら、100V電気が流れているに違いないVVF線の二重被覆が相当範囲はがれ、なんと丸裸の銅線があられもなくむき出しになっているではありませんか!それも複数箇所にわたり・・・
最近の信頼性高いメーカーのケーブル線は耐候性に優れていると信じていますが、アンテナ工事にしろ電気工事にしろ、他工事にしても必要な材料の質を充分に吟味し選んで使わないと事故につながりかねないなと改めて強く感じ、肝に銘じるよい機会ともなりました。 y.terai